
SENNHEISER
Sennheiser HD 660S2 開放型オーディオファイル向けヘッドホン
EDITORIAL SCORE
100点満点で評価
HD 600系の系譜を継ぐSennheiser旗艦開放型の最新世代。中域品位は維持しつつ、低域拡張と応答性向上で「現代の音源」にも対応する。
※価格・在庫は変動します。最新情報はAmazonでご確認ください。
Recommended For
こんな人におすすめ
据置DAC・アンプ環境を整え、長く使えるリファレンス開放型を1台揃えたい人
Highlights
主な特徴
- HD 600シリーズの最新世代・低域強化
- 300Ω・104dBの本格仕様
- 新設計トランスデューサーで応答性向上
- 着脱式ケーブル(6.35mm + 4.4mmバランス両付属)
- Sennheiser本社(ドイツ)設計・組立
Strengths
良い点
- +HD 600系の伝統的な中域品位+新世代の低域拡張
- +4.4mmバランスケーブル標準付属で即バランス運用可
- +ドライバーの応答性が一段引き上がり解像感が向上
Trade-offs
気になる点
- −300Ω仕様で本領発揮には据置アンプ事実上必須
- −HD 600・HD 650・HD 660Sからの買い替え判断は微妙
- −実売7.7万円と投資額が大きく、用途を選ばないと過剰
Specifications
スペック
| ドライバー | 42mm ダイナミック |
|---|---|
| 重量 | 260g |
| インピーダンス | 300Ω |
| 感度 | 104dB |
| 周波数特性 | 8Hz-41500Hz |
| 形状 | オーバーイヤー・開放型 |
| ケーブル | 6.35mm 1.8m + 4.4mmバランス 1.8m |
Editorial Review
編集部レビュー
Sennheiser HD 660S2は、1997年のHD 600発売以来、四半世紀にわたって「開放型ダイナミックの基準器」とされてきたHD 600シリーズの最新世代だ。HD 600・HD 650・HD 660Sと続いた系譜の中で、HD 660S2は新設計トランスデューサーによる応答性向上と、現代の音源に対応する低域拡張を主軸とした、本格的なリファインモデルとなる。実売7.7万円・300Ω・104dBという仕様で、据置DAC+アンプ環境前提の本格機ながら、HD 600系らしい中域品位は健在で、長期使用に耐える完成度を持つ。
音質:HD 600系の血統と「現代音源への適応」
HD 660S2の音質は、HD 600系の伝統である「中域フラット・素直なボーカル・自然な空間表現」を維持しながら、低域のレスポンスを一段引き上げた仕上がりだ。HD 600の弱点とされてきた低域の量感不足が改善され、現代のEDM・ヒップホップ・映画サウンドトラック系でも実用的なドライブ感が得られるようになった。 新設計のドライバーは応答性が向上し、過渡応答が要求されるドラムのスナップ・ピアノのタッチ・ボーカルの息遣いなど、楽音の細部の表現力が一段引き上がる。Sennheiser本社(ドイツ・ヴェンネボステル)で設計・組立される個体差の少なさも、リファレンス機としての価値を底上げする。一方、「HD 600のあの中域こそ至高」という古典派には、本機の低域強化が「やや過剰」と映る場合もあり、新旧の好みは分かれる。
駆動力:据置DAC+アンプ環境が前提
300Ω・104dBという仕様は、HD 600系の伝統に従う本格的な据置運用前提のセッティング。ポータブル機・ドングルでは音量こそ稼げるが、低域のドライブと高域の解像感を両立で引き出すには明確に役不足だ。 推奨されるのは、FiiO K7(実売4万円)以上の据置DAC+ヘッドホンアンプ。本機の魅力をフルに引き出すなら、iFi audio xDSD GryphonやChord Mojo 2の最大出力1000mW級の領域に踏み込みたい。なお、本機は4.4mmバランスケーブルが標準付属するため、4.4mm出力対応のDAC(iFi audio ZEN DAC V2・FiiO K7・iFi audio xDSD Gryphonなど)と組み合わせれば、購入直後からバランス運用が即座に開始できる。同価格帯の競合(HIFIMAN SUNDARAなど)では別売リケーブル前提のことが多く、本機の地味だが大きな優位点だ。
装着感・所有満足:四半世紀の蓄積
本体重量は260gと開放型としてはやや軽量で、ヘッドバンドの内側パッドも上質。長時間装着でも頭頂部に局所的な圧力がかかりにくい。イヤーパッドは交換可能で、HD 600シリーズで蓄積された豊富なサードパーティ製パッドも流用できるため、長期運用での選択肢が広い。 HD 600系の系譜上、本機は「20年使うリファレンス機」として設計されている。Sennheiser公式のスペアパーツ供給は10年以上のサイクルで継続され、ケーブル・パッド・ヘッドバンドはすべて部品交換可能。「使い捨て」が前提のワイヤレス機・TWSとは異なる、所有満足度を伴う「育てる」ヘッドホンとして位置づけられる。
競合機との比較
同じSennheiserのHD 599 SE(実売2.5万円・50Ω)と比べると、価格差は3倍、解像感・低域の質感・ドライバーの応答性で「明確に上のクラス」に踏み込む。HD 599 SEで開放型の世界観を確認した上で、本機にステップアップする道は無駄が少ない。 beyerdynamic DT 990 PRO 250Ω(実売2.2万円)と比べると、本機はより落ち着いた中域と自然な高域、対するDT 990 PROは派手なV字レスポンスで「分析的リスニング」寄り。長時間音楽を聴き込む趣味性ではHD 660S2、ミックス・モニタリング作業性ではDT 990 PRO、という棲み分けが明確だ。 密閉型のフラッグシップ(Bowers & Wilkins Px8: 実売8.8万円)との価格帯対比では、本機は屋外・移動を一切捨てる代わりに「自宅リスニング専用機としての音場と空間表現」で大きく上回る。「家で過ごす時間が長く、音楽を腰を据えて聴く環境を作りたい」人ほど本機の投資が活きる。
Verdict
結論
HD 660S2は「Sennheiser HD 600系という基準器を、現代の音源・現代のオーディオ環境に最適化した1台」だ。実売7.7万円という投資額は決して軽くないが、据置DAC+アンプ環境を整える前提で、20年使えるリファレンス機を1台揃えたい人にとっては、これ以上素直に推せる選択肢は少ない。4.4mmバランスケーブル標準付属・本社製造の品質・10年単位のスペアパーツ供給と、長期投資としての安心感も別格。「自宅のリスニング体験に明確な区切りをつけたい」ステップとして、最も信頼できる1台となる。
Related Guide
関連する購入ガイド
ヘッドホン · READ 8 MIN
開放型ヘッドホン vs 密閉型|違いと用途別の選び方|2026年版
開放型・密閉型ヘッドホンの構造的な違い、音質特性、用途別の使い分けを編集部スコア付きで解説。エントリーから上級機まで予算別おすすめモデルと「2台持ち」戦略まで網羅。
ヘッドホン · READ 7 MIN
失敗しないノイズキャンセリングヘッドホンの選び方|2026年版
ノイズキャンセリングヘッドホン購入時に押さえるべき5つの観点と、目的別おすすめモデルを編集部スコア付きで解説。
ヘッドホン · READ 8 MIN
在宅勤務ヘッドセット選び|2026年版 リモート会議で評価される1台
Zoom/Teams/Meet時代の在宅勤務ヘッドセット選びを4軸で整理。コンシューマー機を流用する観点で、予算別・用途別のベストバイを編集部スコア付きで解説。
Browse headphones
ヘッドホンのランキング・比較表で他のモデルと見比べる